農場管理認定獣医師制度
農場管理認定獣医師とは
農場管理獣医師とは、生産段階から流通、消費までの各部門を把握し、生産者、消費者、動物、環境及び地域社会と共存し、コンプライアンスを重視しながら、行政及び関係各機関の専門家と連携して、消費者に畜産物の“安全・安心”を提供するために農場で活動する、家畜衛生等に高い専門性を備えた獣医師をいいます。
農場管理認定獣医師とは、農場管理獣医師に必要とされる関係法令や知識・技術等の基本プログラム、さらに専門的講義・実習やバーンミーティング形式の実践的実習で構成される認定プログラムからなる、高度な分野別の「農場管理認定獣医師研修プログラム」を受講し、認定試験に合格した上で認定・登録管理システムに登録を行った獣医師をいいます。
農場管理認定獣医師の資格は、「農場管理認定獣医師研修プログラム」を受講・修了し、認定試験に合格のうえで登録を行った獣医師に対して、公益社団法人日本獣医師会(日本産業動物獣医学会)が付与します。
農場管理認定獣医師は、牛の品種別に「乳牛農場管理認定獣医師」、「肉牛農場管理認定獣医師」及び「豚農場管理認定獣医師」に区分されます(今後、馬や鶏についても検討予定)。
認定・専門獣医師協議会による認証
公益社団法人日本獣医師会(日本産業動物獣医学会)が付与する「農場管理認定獣医師(乳牛・肉牛・豚)」の資格は、農林水産大臣が認定要件確認機関として指定する「公益社団法人日本獣医師会 認定・専門獣医師協議会」の認証を受けています。
- 認定・専門獣医師協議会ホームページ(https://j-vet.jp/cv_pv/index.html)
- 農林水産省ホームページ「獣医療広告制限見直しについて」(https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/zyui/koukoku.html)
- 農林水産省ホームページ「獣医療広告ガイドライン(5消安第4053号令和5年11月13日)」(https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/zyui/attach/pdf/law-16.pdf)
- 農林水産省ホームページ「獣医療広告ガイドラインに関するQ&A」(https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/zyui/attach/pdf/koukoku-1.pdf)
農場管理認定獣医師に必要とする基本資格
農場管理認定獣医師の認定を受ける獣医師は、次の資格を満たす必要があります。
日本産業動物獣医学会の会員(日本獣医師会会員構成獣医師、地方獣医師会会員)であること。
農場管理獣医師に係る5年間以上の業務経験を有すること。
学会発表や論文発表、学会への参加等により、生産獣医療や高度獣医療、法令、家畜衛生に関する最新の知識・技術を習得する意志を有すること。
「農場管理認定獣医師研修プログラム」の構成と
認定試験の受験に必要とする認定要件
「農場管理認定獣医師研修プログラム」は、「A 基本プログラム」と動物種別の「B 認定プログラム」から構成されます。
A 基本プログラム
対面またはオンラインで受講し、全項目の受講を必要とする「共通プログラム」と、動物種ごとに全項目の受講を必要とする「動物種別プログラム」に分かれます。
B 認定プログラム
専門的講義・実習及びバーンミーティング形式の実践的実習で受講し、乳牛、肉牛あるいは豚ごとに全ての項目の受講を必要とします。
受講を必要とする全ての「農場管理認定獣医師研修プログラム」を受講すること、及び基本資格を満たすことによって「認定試験」の受験資格が与えられます。
農場管理認定獣医師認定試験
基本資格と研修プログラム受講の認定要件を満たした獣医師には「農場管理認定獣医師」認定試験の受験資格が与えられ、必要事項を記入した受験申請書の提出と受験料の納入を行うことによって受験が認められます。
なお、認定試験は年度内に1回以上行い、試験の実施日時や受験方法はホームページ等で公表します。また、合否結果は試験後1カ月以内に通知します。
農場管理認定獣医師資格の登録・更新
認定試験合格後、農場管理認定獣医師としての登録を希望する場合には、認定登録申請書に認定登録料を添えて認定登録申請を行います。申請書の内容に問題が無い場合には、農場管理認定獣医師名簿に登録を行うとともに、認定証を発行します。
また、農場管理認定獣医師資格の認定期間は認定日から5年間です。資格更新のためには、更新用研修の受講を必要とするほか、学会発表や論文発表、学会や研修会等への参加により必要とされるポイントを取得する必要があります。資格更新に必要な条件を満たし、更新審査申請書に更新料を添えて提出することによって更新を行うことができます。
(資格更新の申請は、有効期限の1年前から行うことが可能です。)